●重要MODEL
MicrosoftはBuildカンファレンスで、推論・コード・画像・音声転写・音声合成をカバーする7つのMAIモデルを発表した。旗艦モデルMAI-Thinking-1は35Bアクティブパラメータのスパースモデルで、AIME 2025で97%、SWE-Bench Proで53%を達成。第三者モデルからの蒸留なし・合成データなしという透明性の高い109ページの技術レポートも公開し、研究者から高い評価を受けた。
●重要PRODUCT
MicrosoftはBuildでGitHub Copilotアプリをデスクトップ向けエージェントネイティブ開発の中心として位置づけ、キャンバス機能やCLI・モバイル・クラウド間の継続性を強調した。Windows自体をエージェントの安全な実行基盤として整備する方針も示し、Project SolaraやScoutといったコンセプトハードウェアも公開された。Web IQというAIエージェント向けグラウンディングAPIスタックも発表され、CopilotやChatGPTを含む主要AIサービスをすでに支えていると主張した。
●重要MODEL
NVIDIAは総パラメータ約550B(アクティブ約55B)のMixture-of-Expertsモデル「Nemotron 3 Ultra」を発表した。エージェント生産性・コーディング・指示追従・長文コンテキストのベンチマークでGLM 5.1やKimi K2.6、Qwen3.5と比較され、米国産オープンウェイトモデルとして最強クラスと位置づけられている。ただし比較対象の選定に対する懐疑的な意見もあり、真の競争力については議論が続いている。
●重要RESEARCH
Google DeepMindはGeminiベースのマルチエージェント仮説生成システム「Co-Scientist」を発表した。肝臓線維症の治療標的特定、ALS治療アプローチ、老化に関連する遺伝的知見の発見に貢献したとされる。科学的発見を加速するAIシステムとして注目を集めている。
●重要POLICY
サンダース議員は「American AI Sovereign Wealth Fund Act」を発表し、米国最大のAI企業に対して公衆が50%の所有権を持つことを求める法案を提唱した。AIが生み出す富を国民に還元するための主権ファンド設立を目指すもので、ノルウェーの石油基金モデルが比較対象として挙げられている。実装メカニズムや国際的な公平性に関する批判的意見も多く寄せられている。
PRODUCT
CognitionはローカルとクラウドのAIエージェントを統合管理する「Devin Desktop」を、NousResearchはHermesエージェント向けローカルデスクトップ「Hermes Desktop」をそれぞれ発表した。OpenAIもCodexに「Sites」機能を追加し、ドキュメントや計画からデプロイ可能な内部ウェブアプリを生成できるようにした。エージェントネイティブな開発・実行環境の整備が業界全体で加速している。
PRODUCT
AnthropicはClaude ProおよびMaxユーザー向けに5時間・週次レート制限をリセットしたと発表した。一部のClaude Codeセッションが過剰な並列サブエージェントを生成し、クォータを急速に消費するバグが原因とされている。ユーザーからはエージェントのツールコールループによるクォータ枯渇が報告されており、高並列エージェント実行の実用上のリスクが浮き彫りになった。
OTHER
OpenRouterの共有データによると、オープンウェイトモデルがトークン総量の69.1%を占め、クローズドモデルは30.9%にとどまることが明らかになった。モデルルーティングが今後の重要な抽象化レイヤーになるとの見方が広がる一方、エンタープライズ向けの本番環境では汎用ルーティングの信頼性確保が課題との指摘もある。オープンウェイトモデルの実用普及が着実に進んでいることを示すデータとして注目されている。